用語解説【マイクロマウス】


1. マイクロマウスとは

マイクロマウス【Micro mouse】

Word
マイクロマウス(マウスと略して呼ぶこともあり)
英語
Micro mouse

マイクロマウス】という言葉、
あなたは耳にしたことがありますか?

一般的にはあまり聞かない言葉ですよね。
ですが実は、世界一歴史があるロボット競技なんです。
その走るスピードの速さに魅了されたり、アイデアを実現するためには高い技術力が必要だったり「ロボットの甲子園」のようなもの!

マイクロマウスとは、
マイクロコンピュータを搭載した、
自律制御で未知の迷路を走りゴールするまでのタイムを競う
ロボットおよびロボット競技

マイクロマウスのイメージ画像
のことです。

※マイクロコンピュータ(マイコン)とは、
 家電製品や電子機器の制御などに使われる、
 一つの半導体チップにコンピュータシステム全体を集積したLSI(大規模集積回路)製品。
 マイコンを含む制御システムを「マイコンシステム」
 あるいは「組み込みシステム」(エンベッドシステム:embedded system)という。



つまり、 自分の力で迷路を走りゴールする
とても賢い小型ロボットなんです!

これが “マイクロマウス” です
↓↓↓
過去のマウスたち
\まずは、この動画をご覧ください/
※迷路のゴールは真ん中です。
↓↓↓

<参考:2011年度優勝マウス動画>

予想以上に早くて驚きませんか?
迷路の探索走行が終わりスタート地点に戻った[1:24]からのスピードがすごいです!
しかも、ゴールした後に自分でスタート地点に戻ってくるところが面白いですよね。


マウスイメージ

▼ 画像をクリックすると拡大できます
マイクロマウスの説明画像(実験用マウスが迷路を走る姿が由来。センサ(赤外線センサ・可視光センサ)、車輪・モーター(ステッピングモーター・DCモーター)、マイクロコンピューター、バッテリー(ニッカド電池・ニッケル水素電池・リチウムポリマー電池))

迷路の一例

▼ 画像をクリックすると拡大できます
第38回全日本マイクロマウス大会(2017年)マイクロマウス(ハーフサイズ)競技、エキスパートクラス決勝の迷路

ベースがシンプルで面白く、
高い技術が必要なので人材育成にピッタリ

組み込みシステムの技術として個人が全体をシステム設計して、メカからソフトウェアまできちんと作ることのできるギリギリのサイズ】と言われています。

マイクロマウスは組み込みエンジニアの人材育成に貢献!(ソフトウェア、ハードウェア、メカニカル、予算管理、スケジュール管理。×面白さ、情熱)
  • 何年間も続けている人がたくさんいること。

  • スピードがあり、人間の本能的に面白く魅力があること。

  • マイクロマウスに関わって「やって良かったと思っている人」「その技術を職業にした人」がいること。

これらが証明するように、きっとこれからも。
組み込みエンジニアの人材育成に役立っていく存在になるのではないでしょうか?




学生さんひらめき(男子)
マイクロマウスって
一般にはあまり馴染みのない言葉だけど、 単純に面白そう!とても賢いロボットなんだね。

探索走行が終わった後の、ゴールまで猛ダッシュするスピードの速さにはビックリしたよ!
もっと沢山の人に知ってもらいたいな。



2. マイクロマウス競技について

マイクロマウス【Competition Rules】

主催



変わらない基本コンセプトは、「迷路情報は与えない」

競技ルールの細かな点はその年その年で変わっていきましたが、
30年以上「基本的なコンセプトは変わっていない」んです。

基本のルールは超シンプル

競技種別

<~2017年まで>
● マイクロマウスクラシック
区画の1辺=18cmの迷路を使用。
第1回大会からの従来サイズ。
● マイクロマウス(ハーフサイズ)
区画の1辺=9cmの迷路を使用。
2009年から正式に新設された従来の1/2サイズの競技。

上記の競技それぞれに、2つのクラス分けがありました。

エキスパートクラスアイコン
<エキスパートクラス>
キャリア豊富な方、海外トップクラスの実力者向け
フレッシュマンクラスアイコン
<フレッシュマンクラス>
初心者、まだ完走したことが無い方向け

▼ ▼ ▼
<2018年以降>
予選・クラス分けを無くして、以下のように競技名が新たに整理されるそうです。運営日を3日から2日に減らし、多様な会場の選択や運営を柔軟にすることで『将来的に多くの観客を集めるため』との意向です。

<下記3種目に整理>
● マイクロマウス競技
今までの「マイクロマウス(ハーフサイズ)競技」のこと。つまり、区画の1辺=9cmの迷路を使用する競技。
● クラシックマウス競技
今までの「マイクロマウスクラシック競技」のこと。つまり、区画の1辺=18cmの迷路を使用する競技。
● ロボトレース
白いラインの周囲回コースをトレースして走り、タイムを競う競技。(マイクロマウス競技と一緒に開催される)



競技ルールの基本

<公益財団法人ニューテクノロジー振興財団 ホームページより抜粋> 2013年8月1日改定時点のもの
マイクロマウス
マイクロマウスは、自立型であること
燃焼を利用したエネルギー源はNG。

※[selfcontained]制御装置と駆動源を内蔵しているもの。
 外部からケーブル等によるエネルギーの供給を受けずに移動できること。

マイクロマウス(大きさ)
クラシック 1辺25cmの正方形に収まらなければならない
ハーフサイズ 1辺12.5cmの正方形に収まらなければならない

  • どちらも、高さの制限はなし
  • 迷路の区画サイズよりマウスのサイズ規定が大きい理由は、壁を越した上部にセンサをつけることがあったためです。最近はほぼありません。
    初期のマウスには、壁の上面をセンス(検出・測定)する翼のようなものが

迷路の色
側面  
壁の上面  
※始点・終点区画は 
床面  

迷路サイズ
クラシック 【区画のサイズ】 18cm×18cm
【区画数】 16×16区画
【壁の厚さ】 1.2cm
ハーフサイズ 【区画のサイズ】 9cm×9cm
【区画数】 32×32区画
【壁の厚さ】 0.6cm

迷路情報
迷路に関する情報をマイクロマウスに入力してはならない。

持ち時間
クラシック 10分間の持ち時間5回まで走行することができる
(場合によっては、持ち時間7分5分とすることがある)
ハーフサイズ 最大15分間の持ち時間として、競技会ごとに定める。 原則5回まで走行することができる。
その他規定
競技中、タイヤについた埃やごみを粘着テープなどで取り除くことができる。
(※ちなみに海外ルールでは減点となります)

クラシックとハーフの比較(すべて2/1サイズ)
▲ 画像をクリックすると拡大できます




クラシックのサイズ(1区画=18cm、16区画×16区画)から始まった競技ルールでしたが、技術の進化にともなってこれからは。
マイクロマウス競技」と言えば「ハーフサイズ」、ハーフがスタンダードになるようですね!



地区大会

全国大会より先行して(7月~10月ごろ)、地区大会が開催されます
2018年度より全日本大会に出場できるのは、その年度の各地区大会の完走記録保持者となります。
※ただし、とくに地区大会への参加が難しい場合(外国からの参加者等)の出場資格に ついては別途検討し、Web 等で告知されるそうです。

各地区大会は6つの支部で運営されています!(※2018/04時点)
支部はその時々で新設されたり無くなったりするそうで、以前は北海道や中四国にも存在したそうです。
マイクロマウス委員会支部一覧MAP
 支部一覧 (各支部のページを別ウィンドウで開けます)



学生さんひらめき(男子)
基本的なルールが変わっていないから、昔のマウスを使って出場することもできるそうだよ!
今は部品が小型化したことで初心者でもハーフサイズを作ることが昔ほど難しくなくなってきたから、ハーフサイズが主流になっていくんだね。十数年先では、さらに小さな迷路での競技が開催されるのかなぁ?


それも面白そう!
イギリスやシンガポール、台湾など海外でのルールは、日本と違って「スコア方式」なんだって。日本はスタートからゴールまで一番速く走ったタイムを競うんだけど、これらの海外ルールでは“マウスに触ると減点されたり、探索走行の時間も加味されたり”トータルスコアで順位を決めるらしいよ。
日本ルールで優勝しても海外ルールで優勝できるとは限らないのね。

学生さんひらめき(女子)


3. マイクロマウスの歴史

マイクロマウス【History】
マイクロマウスはどのように誕生したのでしょうか?
歴史について、あまり知られていない話も含めてご紹介します。

今年(2018年)は、1980年マイクロマウス大会の第1回から数えて39年目、マイクロマウス大会の前身である1979年の「全国ロボット大会」から考えると40年目にもなります。

実は世界で最も歴史あるロボット競技会(昔の画像)
実は、マイクロマウス大会
世界で最も歴史あるロボット競技会】と言われているんです。
※幅広い参加者による大会が開かれているものとして

そして毎年必ず開催されていることも、すごいことですよね。

海外ではイギリス、アメリカ合衆国、シンガポール、大韓民国、台湾などで開催されています。

国内で開催される全日本マイクロマウス大会は、海外の高い技術をもっているロボットも参加するため(例えば、2016年の海外参加者は43台2017年は45台)事実上は【世界大会と同じ】と言われているそうです。


マイクロマウス歴史年表

どのようにして今まで続いてきたのか、40年間のマイクロマウスの歴史を振り返ってみます!
1977年
  • 5月に、IEEE(全米電気電子学会)がマイクロマウス競技を提唱 ※Spectrum誌<D. Chiristiansen>
1978年
  • 中村雅哉が『ロボットを作っているアマチュアがたくさんいるらしいから発表の場を作ってみたらどうか』と呼びかけた。
中村雅哉(なかむら まさや)
ナムコの創業者。パックマンでは一世を風靡した。ニューテクノロジー振興財団の発起人であり、名誉顧問。2017年1月22日ご逝去。
1979年
  • 前年の中村雅哉氏の発言を受けて、 田代康典が「全国ロボット大会」を開催。
田代康典(たしろ ひろふみ)
マイクロマウス育ての親』で、マイクロマウス大会を第1回目から中心となって運営。2016年8月2日ご逝去。財団法人ニューテクノロジー振興財団の事務局長を長年務める。2016年度のマイクロマウス全国大会より「田代賞」が創設された。
田代賞とは、✓その年を代表するロボット ✓新しい時代を拓くロボット を表彰。また選考には田代氏の想いであった以下を重視。・オペレータの手によらず自律的にしっかりと速く走ること・新しい時代を創るロボット技術へ挑戦したこと・人と共存するロボットの実現へ貢献したこと

  • この全国ロボット大会で、油田信一自律ロボット【山彦】で迷路脱出を披露。これを見た田代氏が『マイクロマウスは行ける!』と協力を依頼。以降、油田氏はマイクロマウス運営に携わる。
油田信一(ゆた しんいち)
芝浦工業大学 SIT総合研究所 特任教授(2018年3月時点)日本のロボット研究者。工学博士(慶応義塾大学)。筑波大学名誉教授でもある。第1回ロボット全国大会で「山彦」を披露して以来、マイクロマウス競技会実行委員長として運営指導。2018年現在、ニューテクノロジー振興財団の会長

  • 6月:マイクロマウス全米大会開催
    (15台のマウスが参加)
    最終の大会となり、その後はヨーロッパと日本に引き継がれる形となる。
1980年
  • 第1回全日本マイクロマウス大会 ※優勝者なし
    (出走者18台、完走者ゼロ

◆◇こぼれ話①◆◇
実は幻の完走者が存在!それも電子工学院の学生さんで、大会2~3日後に「走らせて欲しい」ということで走らせてみると見事完走したそう!
◆◇◆◇◆◇◆◇

◆◇こぼれ話②◆◇
日本より先に始まったアメリカのマイクロマウス大会は、サイズは同じだが「端から入って反対側へ出る迷路」であった。これでは壁伝いに行けば出られるので賢さは低い。日本での開催は「左手法(ひだりてほう:左手で常に壁に触れながら迷路を進めばゴールまで行ける)」「右手法」のような簡単なアルゴリズムでは到達できない、ゴールが中央にある難易度を上げた迷路を採用した。
◆◇◆◇◆◇◆◇
1981年
  • 第2回全日本マイクロマウス大会
    優勝者:麥田憲司
    <以降、全国大会は毎年開催しているため記述を割愛>
麥田憲司(むぎた けんじ)
日本システムデザイン株式会社 代表取締役社長。第3回優勝後は、マイクロマウスの審査員も務めた。現在も組み込み開発(特にハード)を行うかたわら、近隣の学生へ講義を行うなど人材育成にも貢献。
1983年 ㈶ニューテクノロジー振興財団の前身であるマイクロマウス協会 設立
1985年
  • 8月 マイクロマウス世界大会(世界初) つくば博にて
    優勝:福山マイコンクラブ
    欧州、米国、韓国など6ヵ国からの参加があり、大盛況で終わる。
    →これを契機に米国や韓国でも定期的に開催されるように
1986年
  • ニューテクノロジー振興財団 発足
    【目的】
     ①マイクロマウス全国大会の開催
     ②「ロボット技術やマイクロコンピューターの応用技術の進歩」「人材育成」
2005年
  • 決勝に限ってフラッシュ撮影解禁

◆◇こぼれ話③◆◇
センサやソフトウェアのテクノロジーが進化した背景に加え、「明るくても暗くても動きなさい」という油田氏の「過保護にしすぎないマインド」は広く知られているそう。
◆◇◆◇◆◇◆◇
2008年
  • ハーフサイズマイクロマウス プレ競技
    (マイクロマウス2008で実施)

◆◇こぼれ話④◆◇
ここに至るまで、2005年頃から出尽くした感があったそう。“何か新しいものを”と考える一方で『良い技術がより評価されるようなルールでなければならない』ことや『参加者自身が面白いと感じることでなければいけない』という運営者の想いがあり、安易に難易度を上げることはできなかったとのこと。
◆◇◆◇◆◇◆◇
2009年
  • ハーフサイズ競技を正式に新設

◆◇こぼれ話⑤◆◇
ハーフサイズが新設された当時、『ハーフは従来と別物』と感じたそう。ハーフにするとセンサーの精度が2倍必要で“10年くらい前のマウスを作っている感覚”と井谷が述べている。
◆◇◆◇◆◇◆◇
井谷優(いだに まさる)
日本システムデザイン株式会社 技術統括兼取締役。初期のマイクロマウス界を引っ張っていった存在。全国大会は過去9回優勝。90年代前半はOtten氏(米)か井谷氏かという「2強時代」があった。一時期は依頼を受け九州の地区大会に過去のマウスを使って出場していたが、今はレーザ検査装置などのセンシング技術を活かした業務に専念。
2011年
  • 10月7日 公益財団法人ニューテクノロジー振興財団に移行
    (元は、財団法人ニューテクノロジー振興財団)
2018年
  • マイクロマウス競技種目名を整理し直し、予選・クラス分けを廃止
  • [旧]マイクロマウス(ハーフサイズ)競技→ マイクロマウス競技
  • [旧]クラシックマウス競技→ マイクロマウスクラシック競技

学生さんひらめき(男子)
ゲームセンターでお馴染みのナムコの創業者さんが提案したことから始まった競技だったなんて、知らなかったよ!
第一回の幻の完走者さんって一体誰だったんだろうね?もし技術者になっているとしたら、どんな仕事をしてるか教えてほしいなぁ。


一番大きな変化は、2009年にハーフサイズが作られたことかな?
映像を観たら当時はマウスを両手で「よいしょ」と抱える感じだったけど、今(ハーフ)は手のひらサイズ。それも時代を表しているわね!

学生さんひらめき(女子)


マイクロマウス全国大会 優勝者一覧表

優勝者モータ方式などをまとめた一覧表です。

 クラシック

大会名[年]:マウス名【製作者】[記録(S)][最短コース長][平均速度(mm/S)][方式]
1回[1980] 完走なし【-】
[-][-][-][-]
2回[1981]
NORIKO-3【麥田 憲司
第2回 NORIKO-3

[37.2][39区13折][188.7][2輪ステッピングモータ]
3回[1982]
NORIKO-7【麥田 憲司
第3回 NORIKO-7
[26.5][64区17折][383.0][2輪DCモータ]
4回[1983] TU-27【上広 孝幸】
[33.84][72区23折][383.0][2輪ステッピングモータ]
5回[1984]
NAZCA【野村・井谷
第5回 NAZCA
[30.13][68区32折][406.2][2輪ステッピングモータ]
世界 つくば博[1985] NORIKO-X1【井谷 優
[19.83][85区42折][771.6][2輪ステッピングモータ]
6回[1985] MAY-ROSE【山名宏治】
[22.36][75区22折][603.8][2輪DCモータ]
7回[1986] SIT-XVIII【芝浦工大】
[15.40][68区18折][794.8][2輪ステッピングモータ]
8回[1987]
マウスキットNORIKO【井谷 優
第8回 マイクロマウスキット NORIKO
[19.83][91区37折][826.0][2輪ステッピングモータ]
9回[1988]
NORIKO-XX1【井谷 優
第9回 NORIKO-xx1
[15.84][76区34折][863.6][4輪ステッピングモータ]
10回[1989]
NORIKO-89【井谷 優
第10回 NORIKO -’89
[12.47][65区38折][938.3][4輪ステッピングモータ]
11回[1990] MITEE6【David Otten(USA)】
[16.53][84区44折][914.7][2輪DCモータ]
12回[1991]
NORIKO-91【井谷 優
第12回 NORIKO-91
[10.81][67区41折][1115.6][4輪DCモータ]
13回[1992]
NORIKO-92【井谷 優
第13回 NORIKO-92
[9.78][76区13折][1398.7][6輪DCモータ]
14回[1993]
NORIKO-93【井谷 優
第14回 NORIKO-93カラー
[9.95][72区23折][1302.5][6輪DCモータ]
15回[1994] MITEE7【David Otten(USA)】
[11.81][66区42折][1005.9][4輪DCモータ]
16回[1995] SsingSsing3【金炳洙・李周浩(韓国)】
[15.44][71区34折][827.7][2輪ステッピングモータ]
17回[1996] NORIKO-FINAL【井谷 優
[12.74][76区23折][1073.8][5輪DCモータ]
18回[1997] Dudung【In-Yong Ha(韓国)】
[10.002][68区31折][1223.8][2輪ステッピングモータ]
19回[1998] Kwa-Gwang【Roh Chang-Hyun(韓国)】
[9.281][71区41折][1377.0][2輪ステッピングモータ]
20回[1999] Varam【Nam Young.Cho(韓国)】
[10.311][77区47折][1344.2][2輪ステッピングモータ]
21回[2000] I.N.G【Oh Kil-Young(韓国)】
[9.881][73区30折][1329.8][2輪ステッピングモータ]
22回[2001] NING2【Wong Kok Kiong(シンガポール)】
[9.727][71区42折][1313.9][2輪ステッピングモータ]
23回[2002]
マイクロマウス-3【井谷 優
第23回 マイクロマウス-3
[8.953][75区37折][1507.9][6輪DCモータ]
24回[2003] Min3G【Ng Beng Kiat(シンガポール)】
[8.391][75区43折][1608.9][2輪DCモータ]
25回[2004] Min4【Ng Beng Kiat(シンガポール)】
[8.403][86区49折][1842.2][2輪DCモータ]
26回[2005] BR3【YIN HSIANG TING(シンガポール)】
[7.463][73区50折][1760.7][2輪DCモータ]
27回[2006] Min4A【Ng Beng Kiat(シンガポール)】
[7.344][69区48折][1691.2][2輪DCモータ]
28回[2007] HOPE Y8A【Jackson Youn Shi Kat(シンガポール)】
[6.505][71区33折][1964.6][2輪DCモータ]
29回[2008] Min5【Ng Beng Kiat(シンガポール)】
[6.433][76区42折][2126.5][2輪DCモータ]
30回[2009] Rush【Soh Yi Lang(シンガポール)】
[5.050][59区49折][2103.0][2輪DCモータ]
31回[2010] Tetla【加藤雄資】
[4.693][57区37折][2186.2][4輪DCモータ]
32回[2011] Min7.1【Ng Beng Kiat(シンガポール)】
[3.921][57区37折][][4輪DCモータ]
33回[2012] Tetla【加藤雄資】
[6.181][][][4輪DCモータ]
34回[2013] Tetla【加藤雄資】
[7.939][][][4輪DCモータ]
35回[2014] 紫電改【宇都宮正和】
[6.574][][][4輪DCモータ吸引]
36回[2015] Diu-Gow【Cai,Xin-Han・Lin,Yu-chih(台湾)】
[6.301][][][4輪DCモータ吸引]
37回[2016] Diu-Gow 4【Cai,Xin-Han/Wu,Zhao-Yi(台湾)】
[4.655][][][]
38回[2017] 赤い彗星【宇都宮正和】
[7.284][][][4輪DCモータ吸引]
  • ※平均速度は[区画数×180/記録]で算出していますので、正確な平均速度ではありません。
  • ※最短コース長は代表的なものであり、優勝マウスが通ったコースとは限りません。


 ハーフサイズ

大会名[年]:マウス名【製作者】[記録(S)][最短コース長][平均速度(mm/S)][方式]
30回[2009] Bee【加藤雄資】
[4.079][47区18折][1037.0][2輪DCモータ]
31回[2010] Excel:Mini-2【Khiew Tzong Yong(シンガポール)】
[5.513][79区50折][1289.7][2輪DCモータ]
32回[2011] こじまうす7【小島宏一】
[4.991][57区37折][][2輪DCモータ]
33回[2012] こじまうす7【小島宏一】
[11.719][][][2輪DCモータ]
34回[2013] こじまうす9【小島宏一】
[7.939][][][4輪DCモータ]
35回[2014] こじまうす10【小島宏一】
[8.766][][][4輪DCモータ]
36回[2015] Sapphire【松井祐樹】
[6.488][][][4輪DCモータ]
37回[2016] Fantom【松井祐樹】
[5.269][][][]
38回[2017] 翠嵐【宇都宮正和】
[10.559][][][4輪DCモータ吸引]
  • ※平均速度は[区画数×180/記録]で算出していますので、正確な平均速度ではありません。
  • ※最短コース長は代表的なものであり、優勝マウスが通ったコースとは限りません。

学生さんひらめき(男子)
麥田社長から聞いたんだけどね。

マイクロマウスの歴史表を見てみると、
日本のものづくり(※組み込みシステム分野における)の歴史」と「マイクロマウスの歴史」が重なることが良く分かるそう」だよ。

マイクロマウスが始まった当初は日本人がしばらく上位を占領してるよね。

その後一時(第16回・1995年あたりから)日本で、ものづくりの熱が冷めたというか社会全体がパソコンやソフトの方に走ってハードに興味がなくなった時期があったんだって!

実際に、新しい参加者は減っていったらしいよ。

18回(97年)くらいから30回(2009年)くらいまでの12・3年間は、今度は韓国勢シンガポール勢が独占!

でもここ最近、また日本でも組み込みシステムにおける「ものづくり」への熱が上がり始めたって。


へぇ~!確かに参加者のグラフを見ても、2000年では189台だったのが2017年には430台となっていて、 これにはロボトレースなどの競技も含まれているけど、【組み込みシステム・ロボット分野】が今。注目されてきていることが分かるね!
ロボットは、これからの時代の暮らしには必要だもんね。 ↓
マイクロマウス大会参加者の推移グラフ(フレッシュマンクラスの参加者も多い!)
▲ 画像をクリックすると拡大できます

学生さんひらめき(女子)



4. 日本システムデザイン(株)とマイクロマウス

マイクロマウス【JSD×Micro mouse】
弊社とマイクロマウス
切っても切り離せない存在です。

弊社の創立に関わった2人のキーマン(麥田社長と井谷)は、マイクロマウスに情熱を持ったことで、出会うことができました。

以下には、日本システムデザイン(株)とマイクロマウスに関係することをご紹介。
他には載っていないような貴重な資料や、これからマウスを始めたいと思っている方へのメッセージもご紹介したいと思います!


スラローム走行の動画

スラローム走行とは「90度曲がるけど、なめらかに曲がる」ことです!
【走行方法の進化(初期:超新地旋回→第4回(1983年)~スラローム→第9回(1988年)~斜め走行)】と【スラローム・斜め走行の違い】


井谷の成績一覧

井谷のマイクロマウス成績表【1】1984年第4回中四国地区大会(福山)~1987年第8回全日本大会(東京)まで 井谷のマイクロマウス成績表【2】1988年第9回全日本大会(川崎)~1996年第17回全日本大会(東京)まで 井谷のマイクロマウス成績表【3】1998年第19回全日本大会(東京)~2009年第30回全日本大会(つくば)まで
▲ 画像をクリックすると拡大できます
Fastest runって?
スタートからゴールまでのタイムが一番速かったマウスのこと。
海外ではマウスの順位を決めるのはスコア方式。探索走行の速さなども加味されるので、最も早いマウスに選ばれてもトータルスコアでは1位にはなれなかったりします。


「マイクロマウスの歩んだ路」著:井谷優 ロボット学会誌掲載 2009.11

論文(PDFファイル)をダウンロードしていただけます
マイクロマウス30年目(2009年)の時点での、走行方式・ハードウェア(センサやモータなど)の進化が分かりやすくまとめてあります。
【Download】リンクをクリックしてください。



足立法の冊子

貴重な昔の冊子が出てきました!
マイクロマウスをやっていて知らない人はいない「足立法」。

足立法とは、
  • ゴールまでの白地図をみて最短コースを思い浮かべる
  • 途中壁にぶつかったらそこに壁があることを考慮して、最短コースを考え直す(それまでに通ったところの壁なども考慮)
  • それを繰り返しながら進む
という未知の壁を無いものとして考える」方法です。

冊子の中には
人間が迷ったときも、そうでしょう。
 ゴールの位置がわかっていれば、そこへの最短コースを予想して調べに行きます。ダメだったら考え直す。この発想です。
と書かれています。

それまでは、「一度迷路を全部走ってから最短経路を求める」というのが普通だったようです。新しい考え方。でも、人間と同じ考え方で面白いですよね。

足立芳彦さんは、弊社麥田社長・井谷と同じ福山マイコンクラブに高校生のころ所属していました。その時にこの理論を思いついたそうです。
そして、今でも主流の探索方法は「足立法」を発展させたもの
上位クラスのマウスは、ほとんどこの探索方法(アルゴリズム)を使っています。



アジア太平洋博覧会 郵政パビリオン「ゆうゆう村」

マイクロマウスが、アジア太平洋博覧会の〈郵政パビリオン〉に出展したこともありました。
(ニューテクノロジー振興財団より依頼を受けて制作)
アジア太平洋博覧会 郵政パビリオン「ゆうゆう村」『九州縦断 マイクロマウス郵便車グランプリ』 昔と未来の郵便車が郵便ポストを回りながら、
ゴールを目指してカーレースを展開するエキサイティングな参加型イベントだったそうです。


アジア太平洋博覧会 郵政パビリオン「ゆうゆう村」『九州縦断 マイクロマウス郵便車グランプリ』未来の郵便車と昔の郵便車 途中で道に迷ったり、阿蘇山が噴火しているときは周囲1区画を避けて走行したりなど障害物が設けられており、参加者は無事ゴールできるかハラハラする競技でした。




メッセージ 

電子系を学ばれている学生さんやマイクロマウスに興味ある方へ
麥田社長写真
 日本システムデザイン(株)
 代表取締役社長 麥田憲司
【 ものづくりの勉強にちょうど良いテーマ!
 自分で新しいことを考えるのをやめないで欲しい
 ちなみに、40年前はオタク扱いでした 】


マイクロマウスを知ったきっかけは、アスキーという雑誌からでした。
日本ではまだ誰もやったことがなく面白そうで、やってみたいと思いました。

先駆者のいない競技をやるのは、「勝ちたい!」という負けず嫌いな性格のせいだと思います(笑)

井谷さんは、ジャイロセンサなど新しい技術を素早くものにできる才能がある人です。
それが、マウスで常に上位にいた理由のひとつです。

私たちがマイクロマウスを始めた頃は、マイコンに関する情報がほとんど無くて書店で隅から隅まで探してやっと2,3冊の本を見つけることができた、そんな時代でした。

ですが今の時代はインターネット上に無数にあって、必要な情報が簡単に手に入ります。
逆に情報が多すぎて活用するところまでたどり着けなかったり、なんとなく出来た気になって終わったり。
新しいことを考えること」をやめてしまったり、するかもしれません。

そういう今の時代でも、
マウス製作は「組み込みシステムのものづくり」において、ちょうど手ごろなテーマです

その理由は2つあります。

1つ目は、【メカ、ハード、ソフト、すべてを一人でマネジメントできる規模のシステムだから】。

優れたロボットを開発するには、『メカ、ハード、ソフトすべてに関する知識が必要』です。

例えば、ソフトとハードは相互関係にあるので、望む機能をソフト・ハードの「どちらで実現させるのか配分も考えなければいけません。(実際にシステムを設計する際、ハードウェア担当者とソフトウェア担当者のコミュニケーションが上手くいっていないと「ソフトウェア担当者の望むハード設計になっていない」など困ることが起こったりもします)

ロボット研究開発の分野では、例えばハードの要件は決まっていてソフトだけを枠の中で当てはめて考えるのでは、自由な発想ができません
マイクロマウスはその点配分も含めてシステム全体を自分で組み立てるため、常識にとらわれないクリエイティブなものづくりにおいて最適な題材なのです。

2つ目の理由は、【競技だから】です。
勉強や試験は嫌々やりますよね?
ですがスポーツのように競技となると急にやる気が起こるもので、例えば徹夜してでもやってしまうというように、モチベーションの面からも打ってつけなのです。

まだ作ったことのない人から見るととても難しそうに見えるかもしれませんが、頑張れば完全にひとりで作れます。

新しい発想を生み出すきっかけになれば、と思うのです。

◆◆ P.S ◆◆
昔はマイコンを使う人なんてオタクの世界で(笑)

喫茶店で話をするのもコソコソしてましたが今の時代は堂々とできますし、上位入賞すればきっと就職でも強い武器になるはずですよ。




日本システムデザイン(株) 
取締役兼技術統括 井谷優 
井谷優写真
【 1区画走ることさえ出来れば、大会に出られます
まずは自分のレベルで作って楽しめば良いと思います 】


いきなり「上位を狙いたい」と思ってしまうと難しいですが、
自分に合わせたレベルのところで作っていったら良いと思います。

例えば、まずは1区画走らせることから始める。

モータやCPUボード、タイヤなどを集めて。

センサの情報などは今ではネットで探せば沢山出てきます。

初心者の方は、「左手法」「右手法から始められるのが良いかもしれないですね。

一区画さえ走れば地区大会に出られますので、次への目標がきっと出てきますよ!


◆◆ P.S ◆◆
今続けている「ものづくり」は、ずっと楽しいです。仕事が趣味みたいなものですね。

あの時、マイクロマウスに出会って。
マイクロマウスを追求してその技術を職業にできて、本当に良かったと思っています。





学生さんひらめき(男子)
創業に関わった2人が
まさに、技術者への道に進むきっかけとなったのが「マイクロマウス」だったんだね!
井谷さんは、マイクロマウスに出会った時「これを職業にしたい!」と強く思ったそうだよ。何日間も上手くいかない日が続いて、ある時解決法が見つかったときが快感なんだって!

『人』しか出来ないこと・『人』がやることに意味があることは沢山あるけど。
人口が減っていく日本では、『自動化できるところ』をロボットがすることで人手不足を補うことが必要不可欠だよね。

その『人間がやっていたことを代わりにロボットがする』というところを
日本システムデザイン(株)のような、組み込みエンジニア達が手助けすることができるんだね。


そういった社会の流れからも組み込みエンジニア育成は大切なのね!

麥田社長はあまり人前では言わないんだけどね、

日本の優秀な人材が埋もれてしまわないでほしい
ちょうど良いテーマと出会うことで、埋もれてしまわないひとつのきっかけになればいいかなと思う。
例えば、そのテーマが「マイクロマウス」かもしれない。』

という想いがあることをこっそり教えてくれたよ。

マイクロマウスという競技に出会うことで、素質を持った人が「光るきっかけ」となって日本の組み込みエンジニアのレベルが底上げされると本当にいいね!!

学生さんひらめき(女子)




Written in 2018.03

  • <参考文献>
  • ニューテクノロジー振興財団 設立20周年 マイクロマウスと共に歩いた20年 記念座談会【前編】【中編】【後編】<NTF財団設立20周年企画として 2006.11>
  • 「マイクロマウス30年史」 ロボコンマガジン <2009.11>
  • 「小型移動ロボットの自立誘導方式の研究」春日知恵 <1995.01>

  • <画像提供>
  • 一部の画像は、ニューテクノロジー振興財団様より許可を得て掲載させていただいております。
 




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