用語解説【レーザー】


1. レーザーとは

レーザーのイメージ

レーザー(レーザ)とは、
Light Amplification by Stimulated Emission of Radiationの頭文字を取った言葉です。

Light Amplification by Stimulated Emission of Radiationを 日本語に訳すと、「放射の誘導放出による光増幅」という意味なんだそう。なんだか難しいですよね。

とにかく、レーザー光は自然界には存在せずに「共振器を使って光(電磁波)を増幅して得られる人工的な光、なんだそうです。


学生さんひらめき(男子)
レーザーって、頭文字から出来た言葉なんだね。初めて知ったよ!それから人間が作り出した「光」だったんだね。



2. レーザーの特徴

レーザー光は大きく「指向性」「単色性」、「可干渉性」、「集光性(高出力)」の4つの特徴があります。

指向性

通常の光源から出る光に比べてレーザーの光は、細いビームにできるので遠くの対象物まで到達させることができます

指向性(電球の光:光は散乱する、レーザー光:光は遠くまで届く)


単色性

太陽の光のような通常光は複数の色が混ざり合ったものですが、レーザー光は1つの色で他の色は混ざっていません

1つの波長の集まりで、かつ強い光なのです。



可干渉性

レーザー光は規則正しく振動しています。
光の位相(いそう:波の山と谷)が揃っているのです。

波長が揃っており重ね合わせることができる(可干渉性)ため「コヒーレント」な光と言われます。

一方、自然光はこのような性質は持っていないので「インコヒーレント」な光と呼ばれています。

可干渉性(通常の光=インコヒーレント・無秩序、レーザー光=コヒーレント・規則正しい)


集光性(高出力)

太陽光は光の絞込みに限度がありますが、レーザー光は金属をも溶かすくらいまでレンズで光を絞ることが可能です。

「集光性に優れている」「エネルギー集中度に優れている」とも言われます。

例えば、レーザー加工やレーザーメス・レーザー溶接などはこの性質を利用したものです。

集光性(通常の光=低エネルギー集中・金属は溶かせない、レーザー光=高エネルギー集中・金属も溶かしたり切断したりできる)



レーザーって普通の光とは違って、
まっすぐ」で
一色」で
規則正しくて
強いエネルギーを集中できる(小さく絞れる)」、人工の光
っていうイメージなんだね!

学生さんひらめき(女子)


学生さんひらめき(男子)
「まっすぐ」というところを利用したものには、コンサート演出のライティングが思い浮かぶよね!
「強いエネルギー」ってところはレーザーメスって考えるとイメージしやすいね!




3. レーザーの歴史

●1917年
アルベルト・アインシュタイン(Albert Einstein)が、「誘導放出」現象という理論を発表。

これが「レーザー理論」の基盤になったと言われているそうです。

●1954年
チャールズ・タウンズ(Charles H Townes)らによって、アンモニア分子を利用してマイクロ波を発振させた、
Maser(メーザー:Microwave Amplification by Stimulated Emission of Radiation)】が誕生

※この時は赤外線や可視光線ではなく「マイクロ波
※マイクロ波とは、電磁波の中でも波長が短いもののこと。電子レンジはマイクロ波を利用しています。

●1960年
セオドア・H・メイマン(Theodore Harold Maiman)によって、ルビーを利用した赤色の人工光の発生に成功

●1979年 5月10日
社団法人レーザー学会」設立

●1982年
フィリップス社(オランダの総合電機メーカー)の工場で、コンパクトディスク(CD)の生産がスタート。(8月17日)

日本でソニー、日立(Lo-Dブランド)、日本コロムビア(DENONブランド、日立のOEMで発売)から、世界初のCDプレーヤーが発売。(10月1日)

※CDは、赤外線レーザー光を使っています。わずかな凹凸の有無を検出して音や映像に変えています。

●1997年 - 2000年
レーザー光を使った事件や誤用が多発し問題となる。

(例)
  • サッカー選手、野球選手が目を狙われる
  • コンサートの出演者に向けて照射される
  • 安価なタイプで安全配慮がされていない粗悪なものが出回る
  • 小中学生がレーザー光線を使って遊んだことなどで「眼を損傷」「視力低下」したという情報が国民生活センターへ寄せられる

●2001年~
経済産業省が『消費生活用製品安全法(略称:消安法)』の『特別特定製品』として管理、規制を開始


学生さんひらめき(男子)
レーザーの大元の理論はなんとあの有名なアインシュタインだったのね!
「レーザー」ならぬ『メーザー』というものが先に作られていたなんてなんだか面白い!



これらの歴史があるから、私たちは今手軽にCDやDVDで音楽を聴いたり綺麗な映像を観たりできるのね~!なるほど~。
でも便利な分、正しく使わないと危険な面もあるから使う側も気を付けなきゃね。

学生さんひらめき(女子)




レーザーの種類とクラス分け

1.レーザー種類

レーザーは、「①媒体による種類」と「②波長による種類」があります。

①媒体による種類

  • 固体(ルビー結晶によるルビーレーザーなど)
  • ガス(炭酸ガスレーザー、ヘリウムネオンレーザーなど)
  • 液体(色素レーザーなど)
  • 半導体(『 レーザーダイオード(LD)』とも呼ばれる)

②波長による種類

  • 赤外線レーザー(リモコン、温度センサ)
  • 可視光線レーザー(レーザーポインター)
  • 紫外線レーザー(皮膚のレーザー治療)
  • X線レーザー(無損傷データ収集)


2.クラス分け

歴史でもご紹介したように、レーザーには危険な面があります。

安全に使用するために、JIS規格(日本工業規格)の『JIS C6802:レーザー製品の安全基準』により波長や出力などで『クラス分け』されています。

クラス分け概要

下表はWikipediaより「クラス分けと制約条件」の引用です。
クラス1 合理的に予見可能な運転状況下で安全であるレーザー。どのような光学系(レンズや望遠鏡)で集光しても、眼に対して安全なレベルであり、クラス1であることを示すラベルを貼る以外は特に対策は要求されていない。
クラス2 可視光のみに規定され、眼の保護は「まばたき」などの嫌悪反応により行われることによりクラス1なみの安全が確保されるレーザー。
クラス1M 合理的に予見可能な運転状況下で安全である302.5 – 4000nmの波長範囲の光を放出するレーザー。光学系で覗かない限りは安全なレベルである。
クラス2M 可視光のみに規定され、眼の保護は「まばたき」などの嫌悪反応により安全が確保されるレーザー。光学系で覗かない限りは安全なレベルである。
クラス3R 直接のビーム内観察は潜在的に危険であるが、その危険性はクラス3Bレーザーに対するものよりも低いレーザー。製造者や使用者に対する規制対策がクラス3Bレーザーに対し緩和されている。クラス1あるいはクラス2のAELの5倍以内である。鍵やインタロックを取り付ける必要がない点で、その上のクラスとは異なっている。
クラス3B 連続発振レーザーで0.5W以下、パルスレーザーで10~5Jm/m~2以下のもの。直接見ることは危険なレーザー。直視をしなければ安全なレベル。鍵やインタロックを取り付ける必要がある。使用中の警報表示等が必要。
クラス4 散乱された光を見ても危険なレーザー。皮膚に当たると火傷を生じたり、物に当たると火災を生じたりする恐れのあるものを含む。出射したビームは必ずブロックする等の対策が必要。鍵やインタロックを取り付ける必要がある。使用中の警報表示等が必要。
[クラス分けの表、引用元:Wikipedia2018.08時点]

イメージとしては
【クラス1】安全、低出力 
 ▼
【クラス4】危険、高出力
という度合になっていますね。

※詳しいクラス分けはJISの原文をご覧ください。
原文が閲覧できるのはこちら
「JIS検索」から、「C6802」の番号指定で規格原文が閲覧できます


参考リンク

クラス分けの参考となるページです。


その他の規格

アメリカや国際規格の規格も存在します。
日本の『JIS C6802:レーザ製品の安全基準』は、IEC規格と整合性のとれたものとして発行されているそうです。
【アメリカ】
FDA:
米国食品医薬品局【Food and Drug Administration】
 CFR(Coce of Federal Regulations)Title21

【国際規格】
IEC:
国際電気標準会議【International Electrotechnical Commission】
 IEC60825-1


私たちに一番身近なのは、半導体レーザーなんだって。光ファイバー通信、CD・DVDやコピー機などで利用されているの。

学生さんひらめき(女子)


学生さんひらめき(男子)
そうそう、他より小型で安価だから普及したそうだよ。

ちなみに日本システムデザイン(株)で作っているレーザ検査装置も半導体レーザーを使っているよ。




5. レーザーの応用(レーザ検査装置)

日本システムデザイン(株)でも、レーザー光の特性を利用して検査装置を開発しております。

代表的なものに、 5-1.内面傷検査装置、最新のものに5-2.研磨加工検査装置があります。

目視では行き届かないシリンダ内面の自動検査。非破壊・非接触!
5-1.内面傷検査装置


内面傷検査装置


①どんな装置?
自動車エンジンのシリンダーボア(空洞)の内面に、鋳巣や微小なひっかき傷がないか見つけることができる装置
②どんな動き?
レーザーの光を出しながらシリンダ内部を高速回転して自動検査し、その内部を画像化して画面に平面表示してくれます。
③関係するレーザー特性
可干渉性集光性

  • 回折光を検出することで、すごく小さな傷を見つけることができます。この回折光という光(キズと直角にかえってくる光)は、コヒーレント(可干渉)であるからできる光なのです。
  • 鋳巣が小さい場合、その大きさに光を絞ることができなければ、穴を発見できません。→小さなスポットに絞れる、つまり「集光性」という特性ですね。
④使っているレーザー種類(波長による種類・媒体による種類)
可視光線(赤色)レーザー(635ナノメートル)半導体レーザー

内面傷検査装置のページはこちら >




光沢度計とは一線を画す、サブミクロンオーダーの加工痕を数値化!
5-2.研磨加工検査装置


研磨加工検査装置


①どんな装置?
光沢度計では測れない!というサブミクロンクラスの研磨痕を検出し数値化してくれる装置です。
②どんな動き?
検査対象に、装置の先端をピタッと当ててスイッチを押します。スイッチを押している間はずっと研磨状態の結果が数値で表示されます。
③関係するレーザー特性
可干渉性

  • 回折光が混ざって返ってくると、光の形がまん丸の●の形ではなく崩れます。崩れて表示される場合、磨き残しがあるということになります。この回折光ができる仕組みはコヒーレント(可干渉)であるから、です。
④使っているレーザー種類(波長による種類・媒体による種類)
可視光線(赤色)レーザー(635ナノメートル)半導体レーザー

研磨加工検査装置の最新カタログはこちら >




学生さんひらめき(男子)
“レーザー”というツールを使うことで、今までは「人間の感覚」に頼るしかなかったことが簡単に正確にできるようになるって便利。人手不足が叫ばれている現代には必要不可欠になってくるね。


日常生活において私たちはそうと気づかずにレーザーを使った製品に助けられているんだってことが良く分かったわ!

学生さんひらめき(女子)



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