用語解説【マイコンカーラリー】


1. マイコンカーラリーとは

Word
マイコンカーラリー(MCR)
英語
Micom Car Rally

 

マイコンカーラリーとは、「マイコンを搭載したロボットが自分でコースを走る競技のこと」です。
 
最初にスタートスイッチを押した後は、マイコンカーは一切操作しません。マイコンカーが白い線をトレースしながら自律的に走り、ゴールまでのスピードを競います
 
そして、マイコンは実行委員会承認のマイコンボードを使わないといけない、というルールがあります。
 
肝となるのは・・・「プログラミング」です!
 
 

▼ こんな形の、ロボットです

↓↓↓Micom Car Rallyイメージ
 
 

▼ 実際に走らせたときの様子はこちら!

↓↓↓
【ジャパンマイコンカーラリー2017全国大会】@日本工学院八王子専門学校
青色の1コース【ゼッケン44番】が広島県立広島工業高等学校の生徒さんで、見事完走されてます!)

 
 
結構速いスピードで走行してますよね!
 
元々は北海道の高校生の実習成果を発表する場として始まったそうで、回を重ねるにつれて参加者が増えていきました。高校生向けロボット競技大会としては「日本最大規模」とも言われているそうです。
 
 

学生さんひらめき(男子)

マイコンカーラリーって、スピード勝負の「ライントレース型ロボット競技」だったんだね。

主役は若き「高校生」たちね!
 
プログラムが少しでも上手くいってないと脱線してしまう、だからプログラミングが大事なのね。

学生さんひらめき(女子)


 
 
 


2. 競技について

 

2-1 大会について

■主催
公益社団法人全国工業高等学校長協会

 

■地区大会と全国大会
例年、10月末~12月上旬にかけて「地区大会」、年が明けて1月第2週目の土日に「全国大会」が開催されています。
 
地区大会で代表権を獲得した人が、全国大会への切符を手にできます。
 
JMCR大会日程と参加台数(2015年度-2019年度)

[直近(2015-2019年度)の大会日程と参加台数]
参考:JMCR公式HPマイコンカーラリーネットより ※2018年9月調べ

 
 

2-2 クラス分けについて

Advanced Class」と「Basic Class」の2つがあります。
 
Basic Classは部品などを制限することで、マイコンカー製作がはじめての人でも無理なく製作できるようになっています。
ものづくり初心者でも魅力を感じてもらうことを目的としています。
 
またメインの2部門の他に、「エキシビジョン」という部門ができました。
こちらは、画像処理で動くマイコンカーになります。
 
 

Advanced Class 初心者以外の部門。
Basic Class 初心者用の部門。今までマイコンカーラリー大会にエントリーしたことのない人が参加できます。
エキシビジョン 画像処理マイコンカーラリーの部門。通常MCRはコースの白線をセンサで検知して走行しますが、画像処理MCRは車体にカメラを搭載し走行しながら撮影した映像をマイコンで解析し走行します。

 
 

2-3 競技規則

マイコンカーラリーを知らない方でもイメージがつかめるように、規則を3パートに分けてざっくりまとめてみました。


※こちらは、平成30年度のAdvanced Class競技規則を参考にしたものになります。
 変更される可能性がありますので、必ず実施年のルールを参照ください
 →公式ページはこちら

 
 

■1. マシン

大きさ 幅300mm、高さ150mm以内
重量 制限はなし
タイヤ 粘着性物質の使用は不可。
幅30mm以内。
4輪以内。
マイコン 実行委員会承認のものを使用すること。
モータ 実行委員会承認(MCR刻印付)のものを使用すること。4個以内。
電源 エネルギー源は単三型2次電池(リサイクルマーク表記のもの)。8本以内。
その他 吸引機能は不可

 

■2. コース

 

大きさ 厚さ:30mm、幅300mm
表面素材 艶消しの白色アクリル製。
  • 地の色は黒。
  • コース中央に幅20mmの白色センターライン(両脇に幅10mmの灰色ライン)
  • コース両脇は幅30mmの白色ライン

マイコンカーラリー【コース規格】色の説明

コースは以下の組み合わせ
  • 直線
  • カーブ
  • クランク(90°の右・左カーブ)
  • S字カーブ(最小内径450mm)
  • レーンチェンジ
  • 丘または谷(傾斜角度10°以内)
レイアウト 直前まで非公開

 

■3. ルール
車検 マシンの規定(2-3 競技規則■マシン)に則って製作されているかチェックがあります。
予選は2回走行 【予選】2回走行したベストタイムで順位を競う
※あくまでも完走したタイムを競う

【決勝】予選成績上位によるトーナメント
※相手のマイコンカーよりも速いマイコンカーが勝ち残る

スタートバーが開いたら自動スタート
  • マシンはスタートバーに触れないよう、越えないようにします。
  • マイコンカーは、スタートバーが開いたことを自動で検出してスタートします。
タイム 【計測開始】スタートバーが開くと同時に開始
【計測終了】タイマセンサの反応で終了
後ろの車が前の車に追いついた時 追いつかれた方が、審判の指示に従って速やかに車を持ち上げます。

 
 
 

コースレイアウトは直前まで非公開だから「どんなコースになっても問題なく走るように作る」のが必要なのね。

学生さんひらめき(女子)


学生さんひらめき(男子)

そうなんだ、状況によって条件が変わってくるということだから、難しそうだね!
 
例えば「白い線が切れていた場合→ハンドルを切りなさい」のようにプログラミングして覚えさせておくそうだよ。

 
 
 


3. マイコンカーラリーの歴史

●1996年 第1回
北海道の高校生の実習成果を発表する場として、初めて札幌市で開催
【マイコンカーラリー’96 北海道大会(第1回大会)】

 

●1997年 第2回
【マイコンカーラリー’97 北海道大会(第2回大会)】

 

●1998年 第3回
全国規模の大会となり「ジャパンマイコンカーラリー」に大会名称を変更

 

●2008年 第13回
Basic Class」のプレ開催

 

●2009年 第14回
Basic Class」が正式部門に

 

●2013年 第18回
【ジャパンマイコンカーラリー2013大会(第18回大会)】
AClass、BClassともに、初めて女性が優勝

 
 

学生さんひらめき(男子)

始まった当初の映像を見たんだけどね、走るスピードもすごーくゆっくりで “トレースして走るだけでも精いっぱい”という雰囲気だったんだ。
 
進化し続けての今、なんだってことを感じられたよ。

なるほどね、まだまだ進化していくのかなぁ。
 
もうひとつ重要なことがあってね、
 
例えばコースアウトしてしまった時・・・
今自分のマシンの問題はどこにあるのかを見抜いてどうクリアしていくのか、そういうあきらめず課題をクリアしていく力っていうのは、大人になってから活きてくるスキルを身に着けられる、ということがあるわよ。

学生さんひらめき(女子)


 
 


4. 日本システムデザイン(株)×マイコンカーラリー

日本システムデザイン株式会社は、近隣地域の工業高校にマイコンカーラリーの技術支援も行っております。
 ↓

【地域貢献・教育支援】ページへのリンク

県立広島工業高等学校さんの地区大会2017の様子なども公開させていただいておりますので、ぜひご覧ください!

 
 

2016年には、NHK「お好みワイド」にて県立広島工業高等学校さんの「ロボット相撲」と「マイコンカーラリー」の様子が生中継されました。
その時の記事はこちら
 ↓
【県工「相撲ロボット」NHKお好みワイド出演予定!しました!】(2016.11.22)

【県立広島工業高等学校 NHKお好みワイド出演お知らせ】ページへのリンク

 



Written in 2018.09

 
 

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< 参考サイト >
ジャパンマイコンカーラリー ホームページ
 運営:株式会社日立ドキュメントソリューションズ

全国工業高等学校長協会

マイコンカーラリーネット(旧ページ 1996年~2015大会まで)

マイコンカーラリーのあゆみ

ルネサスマイコンカーラリー競技大会

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 株式会社日立ドキュメントソリューションズ >マイコンカーラリー販売

 

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