1. FPGAとは
- 読み方
- エフピージーエー
- 英語
- Field Programmable Gate Array の略称
直訳すると、「現場で プログラム可能な 論理回路の アレイ(配列)」となるそうですが・・・
あまりピンときませんよね?
ここでは専門的な説明ではなく、独自の説明を交えて一緒に考えていきたいと思います。
基板の上に載っていて、“マイコン(CPU)とは違うの!?” と思いませんか?
FPGAはマイコンとは違い、中に「論理回路」が沢山入っている “プログラム素子” 、なんですね。
最大の特徴は、
「書き換えることが可能な回路」というところです。
情報が [FLUSH ROM] という記憶装置に入っており、
- 電源を入れる度にROMから情報(データ)を取得して、回路を作り出す
- 電源を切ると回路が無くなる
という仕組みをイメージすれば分かりやすいかもしれません。
これだけでは、なかなかイメージが沸かないかと思います。
そこで!「気になった質問」を技術者さんに投げかけた回答を [Q&A方式]でまとめてみましたので参考にしてみてください。
- Q1. 「どんな時に」使うもの?
-
A.「処理速度の速いもの」かつ「正確なもの」を作らないといけない時
FPGAは、いわば “プログラムをハードにできる素子” なので、ソフト側で判断処理するよりも「速い」です。
信号が来たらすぐに動作する、つまり【ハードウェア処理】なので速い、ということなんですね。
次に「正確さ」です。
例えば、CPUのようにソフト側で処理する場合は、プログラムを都度実行するので処理時間が安定しないことがあります。
ですがFPGAでは、ハードでの実行で処理時間が安定する為、正確なタイミングが必要な際に有効なのです。
- Q2. 使うメリットは?
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A.「後からでも変更(カスタマイズ)できる」&「処理が速い」
必要な回路を、その機器専用に組み込むことができます。しかも、後から変更したい場合も論理回路(プログラム)の変更が可能です。
他にもユーザーが目的に合わせて設計できる素子に、
ASIC(エーシック:Application Specific IC)という種類もあります。
ですが、ASICは
後から回路変更はできない
初期投資の費用が高く、大量製造に向いているもの
ということがあります。
20年くらい前から出始めたそうなんだけど、現在(2019年)では、安価になって論理回路も沢山入るようになって進化しているんだ。
“リアルタイム性が必要で単純な機能”を、ここで作れば良いんだね!
電源ON/OFFの際のデータ転送でかかっていた消費電力を削減できたり、プリント基板サイズ小型化などのメリットがあるんだそうよ。
2. 日本システムデザイン(株)×FPGA
ひと昔前には、「CPLD」も良く使っていました
ですがFPGAの方が設計の自由度が高いため、最近はFPGAを使うことがほとんどなのだそう。
ちなみに「CPLDの場合は、PIN配置が自由に決められないため基板の設計を後から行う必要があるけれど、FPGAの場合は、先に基板の設計をしても柔軟にプログラムを組める」、という点が使いやすいとのことでした。
“正確なタイミングで” AD変換するために
- 高速でレーザをプローブ※で回転させているため、ソフト側でやっていたら間に合わない
- 返ってきた光の強さを正確なタイミングでAD変換しなければいけない
というような場合に、FPGAは適しているのです。
沢山のICが、今ではワンチップで。
このボードにはICが沢山並んでいますよね。技術が進化した現在では、これらのほとんどの機能が1つのFPGAで可能だろう、とのことです。
かつてGALライターも作っていました
麥田社長の話ではね、
FPGAは『ハード設計の時に楽だなぁ』という実感があるんだって。
ハード設計で「デバッグ」って一番大変なんだそうよ。
ソフトと違ってね。デバッグして、もし間違っていた場合つなぎ直すことになってしまうから。
例えば仕様のある部分がキッチリと固まっていない場合でも。ある程度決まっていれば大まかに回路設計をすることができる、そして回路を構成するためのプログラムを後から作ることが出来る、そうだよ。
他にも、「仕様変更になってしまった」という場面でも、柔軟に修正対応ができるというメリットもあるよね。
昔は基板自体も高価だったとのこと、作り直すのは大きな負担になるわね!
FPGAで設計の工数を減らすことができる、つまり、開発費用の削減にもつながるんだって。
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■「FPGAプログラミング大全」著者:小林 優 2016年12月15日 / 秀和システム
■「FPGAの原理と構成」著者:天野 英晴 2016年4月25日第1版第1刷発行 / 株式会社オーム社
■「改訂版 FPGAボードで学ぶ論理回路設計」著者:山際 伸一 2009年4月15日初版発行 / CQ出版株式会社