目次
1. 基板とは
- Word
- 基板(きばん) (※一般的にプリント基板とも呼ばれる)
- 英語
- circuit board, printed circuit board
1-1 基板とは電子部品を実装するための板のこと。
基板とは「電子部品を実装するための板」のことです。
なんとなく、緑色の四角い板をイメージされる方も多いでしょうか?そうです、その緑色※の板のことで、あらゆる電子機器にほぼ入っています。
※実際は、赤や白など色々な色があります。「1-2 ソルダレジストの色が緑色」を参照のこと。
板に「パターン※1」と呼ばれる薄い銅の配線と「シルク※2」と呼ばれる白い文字が施されただけの【①電子部品実装前】と、その上に電子部品がはんだ付けされた【②電子部品実装後】の両方を指します。
回路によって、パターンは異なります。
基板上に印刷された、小さな文字。(緑色の基板の場合は白色で印刷されています)
「基板名」や部品の場所・方向など「ガイド」としての役割を持っています。
基板の上に載せる電子部品には沢山の種類がありますが、主なものとしては抵抗器・コネクタ・コンデンサ・CPU・電源ICなどが挙げられます。
(同音異義語で間違えやすいのでご注意を)
- 基盤:
- 物事を成立させるための基礎となるもの。土台。
<引用:デジタル大辞泉より>
1-2 ソルダレジスト(表面処理膜)の色が緑色
これをソルダレジスト(=レジストとも呼ばれます)と言います。
原料は樹脂と顔料なのですが、その顔料が緑色のため緑色の基板となるそうです。
ソルダレジストは「永久保護膜」としてほこりや熱・湿気などから回路パターンを保護し絶縁性を維持するための大切なコーティングです。部品の実装時にはんだ(=ソルダー)が不要部分へ付着するのを防ぐ役割もあります。
実際には写真のように、みなさんの印象が強い「緑色」だけではなく赤や白や青などいろんな色の基板があります。発注する際は技術者の気分で選んだりすることも。
なぜ、緑色?
プリント基板が出てきた当初は緑色しか無かったとのこと。なぜ緑色だったかという理由は、①目に優しいこと、②(①の理由で生産量が多くなり→)コストが安い、という説があります。
ガスコンロにも基板が入ってるって意識してなかったけど電子機器の「心臓」みたいなものなんだね。
小さいけれど、水や空気のように無くてはならない大きな存在ね!
2. 基板は大きく2種類
【 番外編 】- その他の基板 -
◆◆ \ 色んな形の基板、集めてみました! / ◆◆
四角だけでなく円形のものや羽のような形の基板もあります。色々な形に基板屋さんにカットしてもらえるそうです。
- A:2008年 第29回ハーフサイズ プレ大会 優勝マウス ※角を曲がる時に壁にぶつからないために丸く加工
- B:温湿度計 ※プラスチックケースに入れるため、形状に合わせて丸い形に
- C:88年製 JSD製品マイクロマウス
- D:自由曲面形状測定装置の基板 ※回転させる必要があったので円盤形状に。スリップリングにブラシを接続して電気信号を送れるように
- E:マイクロマウス【NORIKO2】/1992年
※羽のような基板は壁の上面をセンス(検出・測定)するための「センサボード」。また尖ったツノのような形状の理由は、できるだけ軽量にする目的のため - F:地区大会に出たマウス
3.日本システムデザイン(株)×基板
3-1 業務フロー×基板
- 基板ができるまでの重要なフェーズ[ハード設計]には大きく、①-1回路設計と①-2パターン設計の2つがあります。
- ハード設計で完成した設計データ(ガーバデータ)を元に、基板を発注( A )します。
- 実装されていない基板が出来上がると、ボードの上に載せる電子部品を集めて実装屋さんに実装してもらいます( B )。
- 実装後基板が出来上がったらソフトを組み込んで( C )ケースなどに取り付ける( D )と完成します。
3-2 価値も高まる「回路」「アートワーク」を1人が担当する意味
回路設計から「パターン(基板)設計」フェーズに進む際に、必要な情報や回路設計者の意図を正確に効率よく受け渡すことが重要と言われています。
日本システムデザイン(株)では上の図のように「回路図」と「パターン設計(アートワーク)」は1人の人が担当します。
設計は全体で考えた方が良いものが作れますし、同じ人がひとつの案件を一貫して担当するので情報共有のための資料づくりや伝達にかかる時間は必要ないですよね。
基本的には①-1回路設計 → ①-2パターン設計という順番で設計しますが、パターン設計に入っていても「回路を変更した方が良い」と気づいた場合には行ったり来たり柔軟に素早く変更することが可能です。
3-3 基板キットも提供
“ものづくりは、実際に作ってみないと分からない”という想いより、「安価で先生方の手間なく」提供することが必要と考え電子部品と基板をセットにして提供させていただいております。
回路図などの資料もダウンロード可能ですので、電子回路の学習にぜひご活躍ください!
まず、透明なフィルムにパターン設計どおりのパターンを黒の細いマスキングテープで手作業だけど正確に貼っていく必要があってね。生の銅箔基板の上にそのフィルムを重ねて紫外線を照射することで不要部分の銅箔を現像するんだって。
そして、エッチング(Etching)液というものに漬けることで、その不要な表面の銅箔を溶かして取り除くとパターンが出来上がるんだそうよ。
その後、穴あけやカッティングなどの工程があってやっと完成するんだって!
今ではCADデータを送信して基板屋さんに安く製作してもらえるけど、昔の基板製作では外注せず社内で手作業で作っていた、ということを知ることができたわ。もしも古い資料を見つけたら公開するわね!
~ 弊社製の [特注モジュール] を あなたの開発に活かしませんか? ~
- 自社にピッタリなオーダーメイドのロボットを作りたい
- 市販のボード(基板)やセンサの寄せ集めだとコストが高くなってしまうし、コンパクトに作ることが難しい
- これからの時代に役立つ新しいロボット・AGVを自社開発したいので協力してほしい [ 開発コンサル ]
↓ ↓ ↓
【Seeed studioの基板実装サービスを使ってみた】▼
代表麥田Blog >
基板の上に載ってる「プログラム素子」▼
【FPGA】の用語解説へ >
「全体で考える大切さ」▼
【メカトロニクス】用語解説へ >
- < 参考文献 >
-
■「トコトンやさしい プリント配線板の本 第2版」著者:高木 清・大久保 利一・山内 仁 2018年6月11日第2版1刷発行 / 日刊工業新聞社
■「図解入門 現場で役立つ 電源回路の基本と仕組み」著者:清水 暁生・石川 洋平・深井 澄夫 2015年3月10日第1版1刷発行 / 日刊工業新聞社
■「ボクの電子工作ノート」著者:鈴木 哲哉 2012年6月30日初版第1刷発行 / 日刊工業新聞社
■「よくわかる プリント基板実装のできるまで」著者:岡本 彬良 2006年11月25日初版第1刷発行 / 日刊工業新聞社
■「実装の将来 エレクトロニクス・エコデザイン」編著者:須賀 唯知 2002年6月15日初版第1刷発行 / 日刊工業新聞社