1. AIとは
- 読み方
- エーアイ、人工知能のこと。
- 英語
- Artificial Intelligence の略称
近年(2010年代)は “ 第3次AIブーム ” とも言われており、TV番組やニュースなどでも耳にしない日は無いですよね?
背景には、
- コンピューター能力の向上
- ビッグデータ※の蓄積
- 「ディープ・ラーニング(深層学習)」の研究
という3つのブレークスルーがあります。
※ビッグデータ とは、一般的なデータ管理・処理ソフトウエアで扱うことが困難なほど巨大で複雑なデータの集合を表す用語のこと。
イメージしやすいものに、ソフトバンクロボティクス株式会社の人型ロボット「Pepper」、iPhone搭載の音声対話型AI「Siri(シリ)」、「自動運転」などが挙げられます。
実は「AI(人工知能)」の定義は専門家の中でも統一されておらず、未だ曖昧なのが現状です。(2018年11月現在)
ひとくちに「人工知能」と言っても、哲学的な見方や物理的な見方、認知科学的な見方など沢山の切り口があることもあり、人工知能学会監修の書籍「人工知能とは(2016年)」では、ズバリ13人の専門家にAIの定義を尋ねていますがその回答はバラバラでした。
<引用:「人工知能とは」著者:松尾 豊>より一部を抜粋
あなたなら「知能」について、どんな風に定義しますか?
2.「弱いAI」と「強いAI」
一体どういう意味なのでしょうか?
これは、ジョン・サール(John Rogers Searle 1932年7月31日-)というアメリカの哲学者が1980年に提唱した概念だそうです。
「強いAI」とは、人間のような自我や自意識を持ち色々なことが汎用的に出来る人工知能で、「弱いAI」とは、特定の課題に対して人間の学習能力をコンピュータで実現しようとした人工知能、のことです。
強いAIは、とても人間に近いイメージですね。
ちなみに近年ニュースなどで頻繁に話題になっている技術はすべて、「弱いAI」になります。
韓国のプロ棋士に勝利した囲碁AI「AlphaGo(アルファ碁)」 も “感情は持っていません” し、“囲碁以外の意思決定が出来るわけではない” ですよね。
けれど実際には、現在のAI技術には限界があって「強いAI」の実現方法さえ分かって無いと言われているよ。
ドラえもんのような世界は、まだまだ先の未来になりそうだね。
3.手法のひとつが「Deep Learning(深層学習)」
機械学習とは:
訓練データを学習器に投入して、パターンやルールなどの「学習モデル」を作成し、その学習モデルを利用してタスクを行う仕組みのこと。
【機械学習を利用した例】迷惑メールフィルター、株価予測、検索エンジン
Deep Learning(深層学習)は、その機械学習を発展させた手法です。
人間の神経を模倣した「ニューラルネットワーク」を何層も重ねたアルゴリズムを使います。
今までの機械学習との大きな違いは、
人間が【特徴量※】についての指示を出さなくても、 “AI自ら学習して特徴量を見つけ出せる” ところです。
※学習データにどのような特徴があるかを数値化したもの。色や形など「どこに注目すれば良いか」という着目点のようなもの。
データをAIに渡すと自動的に賢くなっていく、イメージなんですね。
そのため、より正しい回答を得るためには読み込ませる「学習データの質」と「学習データの量」が重要になってきます。
より良い性能を出すためには
- 読み込ませる学習データは慎重に選ぶこと
- 大量のデータを用意すること
が必要なのですね。
囲碁AI「AlphaGo(アルファ碁)」やIBM社の質問応答・意思決定支援システム「Watson(ワトソン)」なども、このDeep Learning(深層学習)に該当します。
例えば今もしも!「検索エンジン」が無かったとしたら・・毎日検索してるからとても困るわ。
日本システムデザイン(株)×AI
日本システムデザイン(株)は、センシング技術によるロボット開発や画像処理による傷検査装置の開発などが得意ですが、従来の画像処理だけでは難しい分野の場合はAIを活用することも進めています。
例えば木材の【年輪方向判定システム(画像処理)】をAIを使って評価してみたことがあります。
【関連記事:「AIで画像処理」(2018.10.16)】
当初Deep Learningを使って40万画像学習させた後の正答率は、約【85%】前後となりました。
しかし後日、読み込ませる年輪画像データそのものを変更して学習させてみたところ、2万700画像を50回ほど読み込ませた時点で【98.73%】まで正答率がアップしたそうです。
このことからも、「どんなデータを読み込ませるかが大切」だということが分かりますね。
今後は「画像処理技術の長所」と「AIの得意な分野」を併せて使っていくことで、今よりもシステムの性能をアップできる可能性が広がります。
※ディープラーニングでは無くアルゴリズムを使った処理
コンセプトは、【人工知能(AI)や仮想現実(VR)などを体験できる「最先端技術の実験場」にする】なんだって!
「国民の1/3が65歳、5/1が75歳以上という本当に少子高齢化社会を迎える」ことから、2025年を『直近の課題となる年』として未来予想などが書かれていたわよ。
万博開催の2025年には、人間と人工知能(ロボット)が共生している時代になっているのかなぁ。
AIと関係のある【IoT】【クラウド】の解説もぜひご覧ください
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- < 参考文献 >
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■「ロボットが家にやってきたら・・・人間とAIの未来」著者:遠藤 薫 2018年2月20日発行 / 岩波書店
■「人工知能は的か味方か」著者:ジョン・マルコフ 2016年6月21日発行 / 日経BP社
■「人工知能とは」著者:松尾 豊 2016年5月31日初版発行 監修:人工知能学会 / 株式会社 近代科学社
■「人工知能と社会 2025年の未来予想」著者:栗原 聡・長井 隆行・小泉 憲裕・内海 彰・坂本 真樹・久野 美和子 2018年2月15日第1版発行 監修:AIX(人工知能先端研究センター) / 株式会社 オーム社
■「人工知能の哲学 生命から紐解く知能の謎」著者:松田 雄馬 2017年4月30日発行 / 東海大学出版部
■「人工知能入門」著者:小高 知宏 2015年9月15日初版発行 / 共立出版株式会社
■「AIが変えるクルマの未来 自動車産業への警鐘と期待」著者:中村 吉明 2017年12月14日初版発行 / NTT出版株式会社
■「初めてのディープラーニング」著者:武井宏将 2017年1月19日 第1版第5刷発行 / 株式会社リックテレコム
■「ゼロから作るDeep Learning Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装」著者:斎藤康毅 2017年2月13日 初版第8刷発行 / 日経印刷株式会社
■「ニューラルネットワーク」著者:吉冨康成 2002年7月10日 初版第1刷発行 / 株式会社朝倉書店
- < 参考サイト >
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■人工知能学会
■総務省>第1部>第2節 人工知能(AI)の現状と未来 >(2)人工知能(AI)研究の歴史1
■朝日インタラクティブ >ドラえもんは実現できるか–AI×IoT時代に「人と人の間」はどう変わる