Fusionの基板作成お試しサービス
Seeed studio の基板作成サービスFusionでFree Assembly for 5PCBsという実装お試しサービスをやっています。
$4.9で基板作成+部品実装までやってくれて、部品を実装した基板を送ってくれるというものです。
利用できるのは一度だけ、基板サイズ100×100㎜以内の2層基板で、部品が20種類以下という条件で、Seeedの在庫部品だけを使えば実働3~4日で出来上がるという謳い文句です。
部品代は別途必要ですがチップ抵抗やコンデンサ等はDigikey価格よりかなりお安くなっています。
実装済み基板5枚限定のサービスですが、基板の種類が1種類で100x100㎜以内に収まるようにすれば面付可能で、部品点数の制限は無いみたいなので、小さい基盤なら20枚、50枚の基板を特価で作ってみることも可能だと思います。
基板作成お試しサービスを使ってみた
最初はおっかなびっくりだった中国基板メーカーでの基板作成にはすっかり慣れましたが、部品実装まで依頼するのは品質、依頼方法を含めて抵抗があったものの、新し物好きの私としてはこの機会を逃す訳にはいかないので、ちょっとした基板を頼んでみました。
作ったのは4層基板で部品点数も56種類でしたが、その時(2019/6)の時点では部品点数の制限がなくアセンブリイニシャルはサービスで5枚/4万円程度の価格でした。一昔前なら4層基板のイニシャルだけで5万円は軽く超えていたのですから基板の価格破壊はすさまじい勢いです。
国内の基板メーカーには苦しい状況ですが、開発の仕事をメインにしているものにとってはありがたい限りです。
注文したのが6/14で届いたのが8/2ですから1.5か月かかりました。
基板実装の品質について
プリント基板そのものは、Seeedの格安基板サービスでも国内メーカーの基板と変わりません。これは基板の材質が標準化されていることと、中国の基板メーカーはPCのマザーボードのような高密度基板を作る設備を導入していて、基板の品質に及ぼす人為的な要素が少ないためだと思われます。
しかし、基板の実装品質においてはまだオペレータの質が影響する部分が大きいので中国メーカーへの依頼は不安がありました。
5枚のうち1枚が半田不良で動かず
届いた基板に電源を入れて、テストしたところ5枚のうち一枚がstm32H753VIT(QFP100ピン 0.5mmピッチ)の半田不良で動作しませんでした。
ただし、QFP100の足にフラックスを塗って半田ごてを軽くあてて補修しただけで復活しました。
以前QFP240のFPGAが載った基板を国内メーカーで実装してはんだ付け不良による不具合が多発して苦労したことがあるので、ピン数が多いFPGAの半田付けは条件的に難しいのだろうと思いますが、国内メーカーの実装で200ピン未満のQFPで半田不良によるトラブルは経験したことがありませんから、やはり国内メーカーとの品質差は大きいと感じました。
ただし、この基板は初めて使う大容量のスイッチング電源ICとSTM32Hシリーズのテスト的な意味があり、回路設計上のミスを発見して修正する段階で2枚壊してしまいましたから実装の半田不良は特に問題ではありませんでした。
もしかしたら部品の付け間違いもあるかもしれないと思っていましたが、そのようなことはなく、良い方向に期待を裏切られた面もあります。