KiCad Ver5.1.2について

KiCad Ver5.1.2 の新機能

KiCadのサンプルデータをGithubに公開するにあたって、KiCad Ver4.0.7から Ver5.1.2にバージョンアップしました。

簡単に使ってみた感触では、機能及び操作性に大きな違いは無いように思いますが、Ver5になって、有り難いと思える新機能が二つありました。

1.3次元表示に使うデータとして、stepが追加になった。

 Ver4.xでは3次元表示に使えるデータは .wrl の形式だけでしたが、部品メーカー等が提供している3次元データには .wrl 形式のデータが無い場合が多く、FreeCADなどを使ってデータ変換をする必要があり、これが結構面倒でした。

Ver5.xでは標準的にサポートされている step データを読み込めるようになったため、KiCadのライブラリに無い3Dモデルを追加するのが楽になりました。

2.塗りつぶしパターンに簡単にViaが追加できるようになった

パターンを引き終わった後にGNDで空いたところを塗りつぶし、上下のGND面をViaで接続することで ノイズを低減し、CPUの動作安定を図ることが出来ます。

KiCadにも空いた部分を自動的に塗りつぶす機能が機能が備わっています。
しかし、Ver4.xでは上下の塗りつぶしパターンを接続するVia(バイアスホール)を追加するために、有効なネットからパターンを引いていく必要があり、これが地味に面倒でした。
Ver5で塗りつぶしパターンの上であればどこにでも、Viaを置くだけで自動的にパターンと同じ信号のViaを追加できるようになり、大きく実用性が増しました。

KiCad Ver4.xのデータ引き継ぎ

KiCad Ver4.xのデータをKiCad Ver5.1.2で読み込むことについては特に問題はありませんでした。
ただし、ライブラリは異なっているところがあるので、Ver4.xの基板にVer5.xのライブラリにある部品を追加する場合は手間が必要でした。

KiCad Ver5.x 用サンプルデータの提供

KiCadで基板を作り始める時に、ベースとなる基板データを参考にしたり、改造したりして始めるのが近道です。

私が、ものづくり教育向けに作ったCPU基板と出力基板はKiCadの評価を兼ねてKiCadを使って作ってあるので、これを先生方や生徒の参考のため公開することにしました。

ライセンスはオープンソースハードウェア扱いとし、オリジナル元の記載を忘れないようにしていただければ、使用上の制限は設けません。

公開する場所はGithubを選びました。これまで使ったことがないので、ファイルの一部が欠損している等の不具合があるかもしれませんが気が付き次第修正していくつもりです。

1.ものづくり検定用CPUボード

KiCad5-pic18f45k22-v2cpubrd

広島県工業高校ものづくり検定の課題用に設計したCPUボードです。
KiCad Ver5.0用にアップデートしました

2.ものづくりコンテスト用出力ボード

KiCad5-syutsuryokukiban20

工業高校ものづくりコンテストの課題演習に使う出力ボードです。
KiCad Ver5.0用にアップデートしました

3.ステップモータードライブ&リレーボード

KiCad5-StepMotorDriveType1

CPUボードと重ねて使うバイポーラステップモータ用ドライブボードです
回路と部品を並べただけで、パターンは引いていません。
ロボットコンテスト用の参考基板データとして提供しています。

KiCad 5用サンプルデータ

プログラマー教育に思うこと

縁あって、県の工業高校ものづくりプロジェクトの電子部門のお手伝いをさせていただいてます。
様々なレベルの生徒にプログラムを教えるためには、時間がかかるテキスト作成の積み重ねが必要で、先生方の努力を見ていると頭の下がる思いがします。

一方で、教育組織を眺めれば、企業に対する県工業高校のイメージアップのために、全国ものづくりコンテストで上位の成績を収める優秀な生徒を輩出して欲しいという本音も見え隠れしています。

創造的なシステムを開発できる優秀なプログラマーを育てるには、スポーツのスター選手が持つ生来の才能みたいなものが必要で、教育の力だけでは限界があり、現在の段階では、優秀なプログラマーに育ちそうな生徒は各校に数名いるかいないかのレベルです。

クラブ活動として野球に取り組む生徒の中で、球団のスター選手になれる生徒はごく一握りしかいませんが、そのスター選手がいるからこそ、大きなスタジアムが観客で溢れ、莫大な経済効果と人々の楽しみを提供できている訳です。

プログラマーにも似たところがあり、真に創造的なプログラマーに育つ生徒はごく一握りかも知れませんが、一握りの独創的なプログラマーが開発したシステムは多くの人に役立ち社会に貢献することが出来ます。

プログラマー教育のお手伝いにおける、私の役割

以上の思いから、出来るだけ多くの生徒にわかりやすく教えることは先生方にお任せして、私はプログラム開発の最新ツールや、企業が電子回路技術者に求める最新の技術を教育現場に紹介することに努めています。

電子回路CADの勧め

例えば、電子回路分野の課題は部品をハンダ付けして、動作する回路を組むことが基礎となっています。
電子回路に取り組み始めたビギナーにとって、ハンダ付けで回路を組んで動作を確認することは楽しく、教育的効果もあります。

しかし、今日の企業ではハンダ付け作業をするのは実装工場のロボットやパートの人達であり、工業高校を卒業した生徒に求める技能ではありません。
企業にアピール出来るのは、CADを使って回路設計製作や基板の設計製作が出来る技能です。

工業高校としてもCAD教育の重要性を感じていてCAD教育の導入を始めているところですが、まずは機械系CADから取り組むという段階で、電子回路CADにはまだ手が回らないという段階です。

私としては一刻も早く、工業高校で電子回路CADを教えて頂きたいと望んでいるのですが、忙しい先生方に無理をお願いする訳にもいかないので、KiCadのサンプルデータ提供等で教育現場への電子回路CAD導入のきっかけを作れればと、思い至った次第です。

今がKiCadを使い始める絶好のタイミング

今は工業高校の先生や生徒にとって電子回路CADを導入する絶好のチャンスと言えます。その理由は以下のとおりです。.

1.業務で使えるほど実用性のあるKiCadがフリーで使える

数年前までは実用的な電子回路CADを使うためには、数十万~数百万の費用が必要で、フリーのCADは有償CADの機能制限版であったり、実用性に欠けるものしかありませんでした。

ところがオープンソースのKiCadは業務で使える実用的な機能を備えた電子回路CADです。
私の会社で使っているAltium Designerという100万近い有償CADと較べても基板の設計製作に使うCADとしての機能では遜色ありません。
CADの性能には、出来る出来ないを決める機能の他に、如何に能率よく出来るかという操作性もありますが、KiCadの操作性は悪くないと感じています。

操作性については、慣れと好き嫌いが大きく影響するので、私の会社で使っている業務用CADと公平な比較は出来ませんが、これまで少し触った他の電子回路CADに較べても、取っつきやすく使い易いと思います。

2.格安基板が注文できるようになった

ここ数年の大きな変化ですが、僅か1,000円程度でプリント基板製作が出来るようになりました。(セールがある場合)

例えばここで→FusionPCB 今調べたところによると、100㎜ x 100㎜までの基板5枚を$7.9 送料無料で作ってくれる基板サービスをおこなっています。
KiCadが吐き出すガーバーデータを送り、クレジットカードで代金を払って、製作日数3日+輸送日数15~30日待てばロボットコンテストで使えるマイ基板が手元に届きます。
急ぐ場合は$5追加すれば輸送日数を3~5日に短縮することもできるそうです。

CADの勉強をする時に、実際に基板を作ることを目的にすれば習得期間を大幅に短縮することが出来ます。
ロボットコンテストの参加者が部品となる基板を作るためにKiCadを使うなら1~2週間でKiCadが使いこなせるようになるでしょう。

3.先行者利益が見込める

身につけた技術の価値は、難易度よりも希少性に大きく左右されます。
例えば、今ではホームページを作ることが出来る技能はそれほど珍しくなく、平均工数より多少良い程度の報酬しか得られませんが、ホームページを作ることが出来る人が殆どいなかった時には、同じ作業量で10倍以上の報酬が得られたという例があります。

つまり電子回路CADを習得するなら早いほど有利であり、今なら高校生がKiCadを使ってロボットコンテスト用のマイ基板を作ればチームの大きなアピールポイントになりますし、就職時に企業に対しても大きなセールスポイントになることを期待できます。

KiCad用サンプルデータの提供

KiCadで基板を作り始める時に、ベースとなる基板データを参考にしたり、改造したりして始めるのが近道です。

私が、ものづくり教育向けに作ったCPU基板と出力基板はKiCadの評価を兼ねてKiCadを使って作ってあるので、これを先生方や生徒の参考のため公開することにしました。

ライセンスはオープンソースハードウェア扱いとし、オリジナル元の記載を忘れないようにしていただければ、使用上の制限は設けません。

公開する場所はGithubを選びました。これまで使ったことがないので、ファイルの一部が欠損している等の不具合があるかもしれませんが気が付き次第修正していくつもりです。

1.ものづくり検定用CPUボード

KiCad5-pic18f45k22-v2cpubrd

広島県工業高校ものづくり検定の課題用に設計したCPUボードです。
KiCad Ver5.0用にアップデートしました

2.ものづくりコンテスト用出力ボード

KiCad5-syutsuryokukiban20

工業高校ものづくりコンテストの課題演習に使う出力ボードです。
KiCad Ver5.0用にアップデートしました

3.ステップモータードライブ&リレーボード

KiCad5-StepMotorDriveType1

CPUボードと重ねて使うバイポーラステップモータ用ドライブボードです
回路と部品を並べただけで、パターンは引いていません。
ロボットコンテスト用の参考基板データとして提供しています。

ディープラーニングは化学に似ている

最近暇を見つけてはディープラーニングに取り組んでいます。
気がついたのはディープラーニングは化学分野の研究に似ているのではないかということ。
データ(素材)の形とニューラルネットワークモデル(プロセス)を少しづつ変えながらコンピュータ任せの学習を繰り返して性能を高めていくという開発スタイルは経験が活かせるし、集中してたくさんのコードを書いていく必要もないのでベテランエンジニアに向いていると思い始めました。